訪問看護ステーションかっさい

大阪の生野区に住宅が密集するエリアに建つ訪問看護ステーションの計画。斜向かいの敷地にある葛西医院が運営を担い、ここでは自宅療養や介護のサポートをするための看護師やソーシャルワーカーなどが働く拠点が求められた。

「ステーション」と名がついているが、この言葉は私たちにとっては駅という意味が馴染みがある。医療福祉の分野ではナースステーションのほうがより馴染みがあるのかもしれない。ステーションは「立っていること」を意味するラテン語に由来する言葉で、「人や物 が集まって活発に動く施設」を指すようだ。そうすると、駅もナースステーションも拠点としての意味から近いものとして捉えられる。

1階は勉強会などにも利用する集まる場所で、地域の方にも寄ってもらえるような活動の場。2階は20数名の方が働く仕事に集中するための場。3階は休息の場として、少し休める場とし、特には社交や懇親の場ともなる。

またハウスメーカーとの共同で、構造はテクノストラクチャーという工法を用いることが条件とだった。木造フレームの梁に鉄骨を併用することで大スパンを獲得でき、工期を短縮し、コストも抑えることができるのが特徴である。準耐火構造且つ標準仕様の素材やディテールのため実現できることは制限されていたが、その中で素材の扱いや形、プロポーションなどと向き合った。

名称:訪問看護ステーションかっさい
所在地:大阪府大阪市生野区小路東6丁目2−9
用途:訪問看護ステーション
基本設計・デザイン監修:ナノメートルアーキテクチャー
実施設計・監理:パシフィックホーム
構造設計:パナソニック アーキスケルトンデザイン
施工:パシフィックホーム
写真:ToLoLo studio
構造:木造
階数:3階
延床面積:265.46㎡
設計期間:2022.7-2023.6
施工期間:2023.7-2024.2